はるたまの水溜まり日記

ただ、今ここに在るということ

「産業・組織心理学」(2006年) 古川久敬編 朝倉書店

「産業・組織心理学」

第1章の図1.1が第2章以降のもくじになっていて、それぞれの簡単な覚え書きとリンクを張ってみた。

 

第1章 組織の成長を可能にする4つの条件(図1.1)

条件1 優れた製品やサービスの継続的提供 (8章

条件2 経営課題と経営戦略の明確化と共有 (6章10章

条件3 組織制度や制度の整備と効果的な運用 (4章7章

条件4 旺盛な意欲と効果的行動の学習 (2章3章5章9章

 

 

10日で読み終えた感想。

なんとか挫折しないで読み終えられて良かった。

この本を何の社会経験もない若者が大学の教科書として読むのと、社会経験の最終章である熟年が読むのとでは、読みながら感じる事はかなり違うのだろうと思った。

章ごとに、その分野の専門家が著者になっている点が信頼のおける本だが、ご本人の研究をプッシュしているところは割り引いて読んだ方が良いかなと思う。

 

最後の企業倫理の項目など、若い頃に読めばただ実体のない強い正義感を鼓舞されたと思うけれど、社会経験を経た後だと、参加者の側にも、議長の側にも様々な理由や事情があり、そして、日本と世界の差異について、少し偏見が見えるかなと思ったりもした。

そもそも、自分が常に参加者の側で議長の側ではないと思っている人の示す反感というのは意味がない。会議は決定してその決定事項によって運用される「何か」のために行われる。参加者にとってその「何か」は必要なことのはずだ。議長か参加者かというのはたまたま役割が違うに過ぎない。決定にスケジュールがあるのは、その「何か」のためである。

また、日本に談合があると思われるのは、マスコミの流す誤った偏見にすぎなくて、欧米の方がむしろ事前の談合は多いと思った方が良いし、また、談合について、ネガティブでない。欧米の学校では人脈作りを推奨するが、その人脈がそもそも談合を生んでいると考えるべきだろう。つまり、非合法な話し合いや事前のネゴが行われる。日本人は、国際社会においてその部分では劣勢で、むしろそういった活動をもっと積極的にしくてはならない。

 

全体については、この本が190ページというボリュームで全般の内容がおさまっていたのは本当にありがたかった。お陰でなんとか読み終えられた。

本は3回くらい読まないと頭に入らないので、あと2回くらい読んだ方が良いかなと思いつつ、やはり次は違う本を読むかと思いつつ、、どうするか分からないけれど、とても勉強になった。

 

感謝